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【コラム】ガラスの種類は千差万別

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 はるか古代(古代エジプトの時代)から製造されているガラスであるが、世界的に見ても日本メーカーのシェアは非常に大きく、その技術は世界が認めるところである。このような現代のガラスとはどのようなものがあるのだろうか。

 まず手始めに、板ガラスとはどのような過程で世に出ているのだろうか。現代の板ガラスは「透明板ガラス」「型板ガラス」「摺りガラス」などの種類があり、最もポピュラーなのは透明板ガラスであり、普段生活していて、眼に入らない日は無いのではないだろうか。

 製造方法はフロート工法と呼ばれる工法を採用しており、呼称の元となったのは製造ライン上にフロートバスと呼ばれる、溶融されたスズの入ったマスの上に、溶解したガラス材を流し込むことで、比重の関係によりガラス成分が沈まず、平滑な面を確保しながら冷却することで製造される。型板ガラス・摺りガラスはその冷却時に型板の模様を押し当てることにより製造されている。その模様により不透明となり、プライバシーの必要な場面などに多く利用されている。

 延焼ラインに掛かる窓によく利用されるガラスといえば、網入りガラスが標準仕様といっても良いだろう。ガラス面と平行に金属のワイヤーが入っているため、火災が起きたときでも、ガラスの飛散防止に効果がある。ワイヤーの仕様でいえば最もポピュラーなのはヒシワイヤー(斜めにワイヤーが入っている)であり、クロスワイヤー(縦横並行に入っている)はヒシワイヤーに比べシェアは少ない。その他のパターンで製造されている製品もあるが、防火開口部に利用できるものは上記の2種類のみとなる。

 一般的な板ガラスで割れてしまっては困る場面では、強化ガラスが活躍する。学校などの公共建築物や店舗のファサード、自動車はたまた空中回廊のようにガラスを床板に利用する際にも強化ガラスや合わせガラスが活躍しており用途はさまざまである。(フロントガラスには合わせガラスを使用)そんな強化ガラスの特徴は容易に割れないこと、製造過程の特徴として、最終工程にガラス表面に圧縮力を掛けて強固にするため、切断することができない。また、破壊された場合は内部の引張圧力が掛かっているため粉砕する。

 昨今のリフォームで注目されている複層ガラスは、省エネルギーを提唱している先進国や、日本でも寒冷地域を中心に利用されており、最近では温暖な地域でも住宅内のエネルギー流出を防止する意味で採用され始めている。構造は板ガラスで空気層を挟み込み、気密層を形成することで断熱する性質があり、冬季の室内外の温度差が激しいときでも結露防止することが出来る。

 住宅とは両極にある高層ビルのガラスは、光り輝き建物を際立たせているが、日射を吸収あるいは反射することにより、太陽光の熱量を抑制する効果がある。熱線吸収ガラスは熱線を吸収する機能を持ち、ガラス内部に金属粉を含ませ着色することにより、室内への熱透過を防ぎ、熱線反射ガラスはガラス表面に金属粉を焼き付けることにより、日射を反射することができる。

 このほか、さまざまな種類のガラスがあるが、今日のビル建築の中でガラスと鉄骨とコンクリートを提唱したさきがけといえば、ミース・ファン・デル・ローエといっても過言ではない。ファンズ・ワース邸(1951年)が特に代表的な建物であり、その外観は前面ガラス張りで近代建築のカーテンウォールを提唱した建築物であり、この手法を確立した第一人者である。ガラスの魔術師と呼ばれた彼のコンセンプトは、今日の建築に多大な影響を与えている。居間のガラスひとつとっても話のタネにこのようなうんちくを含めて、お客様と雑談してみるのも良いかもしれない。

質問 Nov 19, 2016 公開 提案 事務局 (13,170 ポイント)

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