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【コラム】ニッカポッカ?建築工事現場で活躍する職人の服装とは

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建築工事現場で活躍する職人さんたちの着ている作業着はものすごく独特の形をしています。建築に携わったことの無い人にはなじみの無い服でニッカポッカと言えば聴いたことのある方もいるかと思います。太ももから足首にかけてダボッとしたズボンが思い当たるかもしれません。この服装をしている職種は主に鳶職や型枠大工、鉄筋工など躯体工事を主体とした職人さんに特に多いのですがその理由はキチンとあるのです。そんな服装について考察したいと思います。
 

高いところもお手のもの、鳶職

鳶職の仕事は多岐に渡り建物の仮設足場を組立解体する仕事や、鉄骨の部材を繋ぎ合わせ建物のフレームを組み立てる仕事だとか、仮設のクレーン組立や地下深く掘るときに土圧を支える骨組み(支保工)を組み立てたりと非常に多くの仕事に携わっています。そんな彼らの服装ですが、足は地下足袋を履いてニッカポッカ、上着は長袖で手甲などを着て作業している職人が多いです。なぜこのような服装で作業するのでしょうか?それは地下足袋は「鳶の足裏には眼がある」などと言われているように足袋で歩行していると足裏感覚が非常にすぐれており高所で不安定な足場の上であったり、狭小で歩行せざるを得なかったりする場合があり、足裏感覚が非常に重要なのです。安全靴と足袋では感覚が違い、歩行していて危険を察知するのはやはり足袋のほうでしょう。また、ニッカポッカのようにだぼっとしたものであれば危険察知に非常に役立つのです。なぜ役立つのか?それはだぼっとした部分に鋭利な鉄筋や仮設物などが触れたときに触覚代わりに感知することが出来る為です。特に高所作業であればいくら安全帯を着用しているとはいえ落下の可能性もあり、より安全側に考えるのであれば良く考案された服装だといえます。副産物的なことで言えば、鉄骨足場上などであれば風が強くなればその風を服に感じ風の方向や強さなど感覚とはためく服装で感じることも出来ます。いずれも鳶にとっては非常に重要な仕事道具の一つといえるでしょう。

その他の躯体職種は?

型枠大工や鉄筋工の場合はどうでしょうか?鳶ではない職種であれば不安定な高所での作業は少ないので足首までだぼっとした服装ではなく、スネから足首まではピッタリした服装の職人さんが多いです。理由としてはこの部分が歩行しているときにコンクリートから伸びた鉄筋や型枠の締め材など低所にある場合に引っかからないようにする工夫となっています。鳶職のように引っ掛かっても転落・墜落の可能性が低い場合であればこの形態が有効なのでしょう。 

昨今のゼネコン会社の対応

このように鳶職にとってはなくてはならない、地下足袋とニッカポッカですが、大手ゼネコン各社では安全靴の完全使用を謡い文句として、地下足袋の使用を禁止している会社が非常に多いです。地下足袋に安全靴の機能をもったものもあるにはあるのですが、やはり安全靴とつま先の強度を比較すると弱い為なかなか使用許可を取ることが難しいようです。近年の主流はスポーツ用品メーカーからも出ている安全靴タイプのスニーカーが主流となってきていますが、こと足裏感覚においては地下足袋にはかないません。スニーカーでは微妙な足裏感覚を磨くことは難しいが今後はこれに慣れていかなくてはならないでしょう。

 ニッカポッカについても同様でだぼっとした部分が引っ掛かり転落の可能性があるとの理由で(実際は引っ掛かったときにわかりやすいはずであるが…)禁止しているゼネコンもあり、見た目の雰囲気や一般の方からの眼などを気にしてのことかと思われますが、安全靴はともかく服装に関しては着たい人には着させてほしいと願います。

 建設業界特有の服装にもキチンと意味があるのです。街を歩いていてふと空を見上げたときに建築現場の高所で作業している職人さんを見たらこの話。思い出してくださいね。

質問 Sep 27, 2016 公開 提案 事務局 (7,800 ポイント)
編集 Sep 29, 2016 事務局

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