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【コラム】風水を気にされるお客様も多いですよね。風水でいう鬼門とは?

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 住居を建てるときに易を気にして建てる場合はいろいろ気をつけなければ成らないことが多いかと思います。そもそも「易」という漢字はその形が示す通り日と月から出来ており、陰陽道でいう易とは宇宙万物全てのものについて陰と陽が相対し成り立っていると考えられている。

 元来、鬼門の生い立ちとは、現代では密接に関わっている易と無関係に派生したものであったようですが、いつしか玉石混淆した中で陰陽道に取り入れられたようです。それでは易の生い立ち・鬼門の意味合いとはどのようなものであったのでしょうか。古代中国の出来事といっても良いかと思いますが、はるか紀元前4世紀頃に一大勢力を築いた匈奴(モンゴル高原を中心とした遊牧民族または国家)が中国へ進出したことにより、これを恐れた中国の民衆が東北より襲撃されたことが根本となるようです。東北の方向とはまさに「鬼門」の方向なのです。

 中国の東北地方から牧草不足期に肥沃な大地を求めやってきた彼らは黄河沿岸をはじめとして荒らし回り、襲撃された農耕民族たちは東北より鬼が来たような感覚であったことでしょう。ちなみに万里の長城も匈奴対策で構築された建造物であることがわかっています。これら出来事もあり、東北の方位は不浄なもの・忌み嫌われるものとして扱われるようになりました。 

 しかし、もともと鬼とは死人の姿形を現していたようで結局は現代に生きるものにとって先祖に当り、忌み嫌われるようなものではなかったようで、鬼籍などと漢字で書かれるように亡くなった親族や先祖などを指しており、古くは鬼自体が「悪」ではなかった証拠でしょう。(この鬼籍でいう鬼とは世間一般的な鬼ではなく、死人を表す)古代中国の殷時代には甲骨文字で鬼とは死人の顔を表しており死人は祖先を表す。その祖先を一説では鬼神と呼んでいたことからも消して悪ではなかったということ。

 しかし、祖先とはいえ善悪の魂双方がいるのはどこの世も同じであり、世間に恨みつらみを残して死んだものは悪玉に、善行を行なっていたものは善玉になるとの思想が次第に浸透していった。かつては死んだものの魂はすべて鬼神と総称されてはいたが、次第に善玉を天神(善行を行なうものは天に召されるとの思想から)悪玉を鬼神と呼ぶようになり、悪の象徴となっていったようです。世間一般に見られる鬼の風貌は角があり、牙があり筋骨隆々の恐ろしい姿形をしている。その姿形は草食動物の角や、肉食動物の牙など猛々しい動物の特徴をよく併せ持っておりこれらを統合した姿といわれています。

 忌み嫌う方向から恐ろしいものがやってくる。そんな方向が次第に鬼門と呼ばれるようになったようです。このような思想が中国から日本の鎌倉時代以降に伝来したこともあり、住まいの東北方向は風水でも特に注意を要する方向となったようですが、日本の気候風土からするともう一つ大きな理由があるようです。この時代の日本の中心地は近畿地方一帯であり一年を通して風向きが東北(鬼門)から南西(裏鬼門)へ通っていることから厠を東北に据えれば臭いも住まいの中を通り外に出て行くわけであり些細だけれども理にかなっているのかもしれません。

 現代の住宅では換気設備も当然のように発達しており、古代のように厠が東北方向にあるからといってなんら問題は無いかと思います。しかし、日本独自に発達した風水は俗世間的にも有名無名を問わず信じられていることもまた真実です。従って顧客の要望を第一に考えながら間取りには鬼門または裏鬼門に水廻りや玄関を設けないよう助言することもサービスなのかも知れません。

質問 Sep 24, 2016 公開 提案 事務局 (7,800 ポイント)

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