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【コラム】ガンダムじゃない!アスタコ。技術力でオンリーワンを目指す

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昨今の建設業界では著しい人手不足から最新鋭の機械を導入し対応する企業が増えているようです。最近マスメディアでも取り上げられることの多い重機などもあり、開発者の苦労が観えるものも多いかと思われます。そんな中でも一際異彩を放っている重機があります。それは日立建機のアスタコ。姿はまさに名のとおり(アスタコとはスペイン語でザリガニを指します。なぜスペイン語なのかは不明ですが...)開発者談では初心者でも動かすことは誰にでも簡単に出来るそうで、左右のレバーはそれぞれ右腕、左腕を操作するようになっている。操作性は非常に直感的で、みなさんもよくテレビなどで毛筆を持ち習字を披露したり、野球のバットを握りボールを狙ったりと従来の重機では考えられないような動きで常識を覆し続けている。

世間では幼い子供がよく遊んでいるミニカーの中でも人気のある働く車シリーズ「ショベルカー」や「バックホウ」などと呼ばれているものがあります。そんな油圧ショベル(アタッチメントのバケット向きで呼び名が変わるなど呼称は様々です)ですが、用途は土工事(土を掘ったり、埋め戻したり)や解体工事(コンクリートの破砕作業や鉄骨の切断等)で主に利用され、その動きは土をすくったり、破砕物を叩いたり、つまんだり掴んだりしながら作業を進めていきます。アスタコの登場までは当然アームが一本であった為、一つの作業に特化した動きしか出来なかった。しかし、アスタコのように作業アームが2本あれば話は変わってくる。左右の腕があるのだから人間が作業するように、持ちながら切ったり掘りながらコンクリートを破砕したりなどの作業が可能となり従来では2台以上の重機が混合作業しなければならないところが1台ですんでしまうのだから実に2倍以上の作業スピードを実現することが出来るようになります。

そんなアスタコが有名になったのは2011年の東日本大震災以後であり、壊滅的な被害を受けた市街地で津波に流された自動車やコンテナ、家屋の木材やコンクリート、鉄骨などを砕き、切断し効率的に運搬できるように廃棄物を処理することが出来たことが大きいようで、被災地のように道が塞がれていたり片側交互通行のような場所では2台以上の重機を利用することなく2台以上の作業効率が出るのだから非常に重宝されている。ただ、世間のメディアに注目され初めてからは「ガンダム」のコクピットのようだと評判になっているが社内ではそのような認識は無く効率的な動きを追求した結果であったようだ。(ということはガンダムのコクピットは非常に効率的なのであろうか?)開発当初は社内の風当たりも強く大変であったようですがマスメディアでの露出とともに社内の味方も増えていったようです。受注生産品ではあるが価格は2300万台であり通常のバックホウの1.5倍程度。ただし、スクラップ業者などにとってはこの金額差を差し引いても魅力のある製品であることは間違いないでしょう。

 

 

そんな魅力いっぱいのアスタコですが開発当初は社内の風当たりも強かったようで、双腕の機械に市場が反応するのか?対コストは?など社内でクリアしなければならない課題がたくさんあり開発技術よりも大変だったとか。世に出てからはマスコミの注目もあり、ガンダムのコクピットを連想させるような重機の知名度も上がり今では花形の仕事となっているようです。開発者曰く「われわれからは全然“ガンダム”とは発表していないのに、運転席に座ってもらうと、皆『ガンダムのコクピットみたいだ』と言います。『お前らガンダムに乗ったことあるのか!』と心の中で突っ込んでいます(笑)。結果としてこのようになっただけで、別にガンダムをイメージしてこの運転席を作ったわけではありません」

国外からも関心を集めているようで問い合わせもあるようです。日立建機を世にアピールするには最適な一台といえるでしょう。安価な製品を量産している中国などの企業との熾烈な市場争いを勝ち抜く技術力を世界にアピールしている。他社がマネをしてきたら、更にその上を行くように常に考えているようで重機のリーディングカンパニーの座を守り続けている。どの職種にも共通することかも知れませんがオンリーワンの企業は市場に強いというまさに典型的な例ではないでしょうか。

質問 Sep 18, 2016 公開 提案 事務局 (13,170 ポイント)

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