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【コラム】教えて!成功する設計事務所の法則

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成功する設計事務所と成功しない設計事務所の違いとは?

 

その① 先行投資をしていますか?

 

プロの経営コンサルタントがさまざまな設計事務所と関わりを持つ中で、必ず気づくことがあります。それは、その事務所が“成功する設計事務所”なのか“成功しない設計事務所”なのか、ということです。

この二種類の設計事務所には、明らかな相違点がみられます。その一つが、『先行投資する発想があるか、ないか』という点です。実は成功する設計事務所の多くが、必ずこの“先行投資の考え方”を持ち合わせています。未来に目標とする売り上げに到達させるために、前もってどれぐらいの投資が出来るかを考えることが出来る設計事務所は、将来的に成功しています。

では設計事務所での『投資』と考えられるものにはどのようなものがあるでしょうか。まず基本的なところから言えば十分なスタッフの雇用、そして多くの方々から信頼していただけるような充実したホームページ作成、経営のスキルアップを目指すための講演会への参加など、他にもさまざまなものがあります。

しかし、このような投資をするとなった場合、一時的にそれに必要な費用が発生してきます。「お金があればもっといろいろしたい気持ちはあるのだけれど・・・」そう考える経営者も多いかもしれません。ですが今現在、お金があるないに関わらず、設計事務所の未来を大きく変えるためには、いずれもこの『投資』なくして設計事務所の成功は得られないと言って過言ではないでしょう。目先の業績増加だけに捉われるのではなく、中間的な未来の成果を基準に、前もって費用をかけるべき事柄に目を向けることができる、それが“投資発想を持つ”ということです。

ところが、設計事務所業界にこの発想を持ち合わせている人は決して多くないのが現状です。なぜなら、設計事務所というのは投資を必要とする場面に遭遇せずとも、開業が比較的可能な職種だからです。具体的に言えば、もし開業に多くの費用を掛けたくなければ、自宅兼事務所として開業する、資格を持つ開業者当人とその家族だけで経営する、などです。そうなれば、事務所の成功のために特別に費用をかけ投資するという発想にまで、正直至ることは難しいでしょう。

このように今日明日の経費や業績ばかりに焦点を当てていれば、次第にジリジリと事務所経営は苦しくなります。未来をしっかりと見据えたビジネスとして投資ができなければ、業績自体も大きく伸びることはなく、その設計事務所はそこまでとなっていくでしょう。

ここで勘違いしていただきたくないのは、『投資』というものは、自分がお金を掛けた分以上のものが運良く何倍も大きくなって跳ね返ってくるというものではないということです。あくまでも投資した分以上のものが、自分の想定の範囲内で大きくなることが確実に予測できるのもが『投資』です。

この違いを分かりやすく言うと、『宝くじ』です。これは『投資』ではなく『投機』です。どんなに大金を掛けたとしても、それが何倍にもなって帰ってきてくれるかは運次第、他人次第です。しかし、事務所に貢献できる良い人材の採用や、分かりやすいホームページの作成、経営のスキルアップを目指すセミナーへの参加などの『投資』は、確実にプラスへと働き、間違いなく設計事務所の未来を大きく変えてくれる鍵となるでしょう。

ぜひみなさんにも、『宝くじに一億円を使う』のではなく、『宝くじで一億円当たった人たちを顧客にするために一億円を使う』くらいの発想を持てる経営者になっていただきたいのです。

 

その② すぐに行動していますか?

 

コンサルタント曰く、「設計事務所業界の方ほど勉強熱心な業界は他にない」のだそうです。実際に、設計事務所の先生方はもの作りのプロフェッショナルとして講演会では確実に情報を収集して知識を増やし、分析して実践に繋げ成果を出す方が数多くいらっしゃる素晴らしい業界です。

しかし、そんな勉強熱心にセミナーに参加される設計事務所の方々の中でも、そうやって業績を上げ続けている設計事務所もあれば、熱心な割に一向に業績が上がらない設計事務所も少なからず存在することは否めません。

では、業績を上げ続ける設計事務所と、業績を上げられない設計事務所の違いは何なのでしょうか。

それが、行動力に“即時性”が有るか無いか、です。いくら勉強熱心で数多くの経営知識を持ち合わせていたとしても、それだけでは宝の持ち腐れ。決して業績はアップには繋がりません。情報や知識を持ったうえでの行動力、それに加えて必要不可欠なのが“即時性”です。よいと思ったことは、迷うことなくすぐに実践することが、成功する設計事務所を作り上げるための大きなポイントとなるでしょう。

設計事務所の方々が真面目で勉強熱心な方が多いと前にも申し上げましたが、それゆえに「周りの意見にも耳を傾けなくてはいけない」「前例がないので成功する保証がない」「上手くいかなかった場合にスタッフに迷惑をかける」「まずは目の前の仕事を全うしてからにしよう」とすぐに行動に移すことが出来ず、二の足を踏んでしまう方が多いのも事実です。

しかし業績を上げている設計事務所に共通しているのは、間違いなくこの即時行動力を持ち合わせているという点であるというのは、紛れもない事実なのです。ですから、設計事務所にとってプラスになるかもしれないと少しでも感じれば、ぜひすぐに行動し実践していただきたい。「絶対に業績アップにつながる」と100パーセントの確信がなくてもいいのです。「これで未来が変わるかもしれない」くらいの気持ちの時点でも、勇気を出して一歩前へと進んでみることを強くお勧めします。

 

その③ あなたの常識を疑えますか?

 

あなたが設計事務所を開業し、思ったように業績が上がらなかったとします。その時にあなたの頭の中にはどのような言葉が浮かんでいるでしょうか。

「やっぱり独立したからと言って、そう簡単に食べていけるものじゃない」

「新規の顧客なんてそうそう増えはしない」

「こんな時代に単価を上げたりなんかしたら、ますます客は離れていくだろう」

恐らく、このような世間一般的に考えられている常識的な言葉ではないでしょうか。

 しかし実際には、そんな言葉に反するように年々業績を上げ、新規客をますます増やし、単価を上げても顧客がどんどん寄ってくる設計事務所はあります。あなたが想像している以上に、景気の決して良いとは言えないこんな時代でも、成功している設計事務所は実在するのです。

 正直、設計事務所業界全体の割合でいえば『新規客獲得は簡単だ』と答えることの出来る設計事務所は一般的ではなく、少数意見かもしれません。しかし、少数だからといって不正解な訳では決してないのです。『新規客の獲得は難しい』と考えるあなたの常識も同じく正解なのか不正解なのか、いえ、そもそもその議論さえも全く意味のないことなのです。

 まず経営者は、その常識があなたの中に“役立つ”のか“役立たない”のか、という視点で物事を捉えてみてください。大切なことは、自分にとって役立つ常識に触れることです。『新規客の獲得は難しい』、もしこの常識が自分の中で役に立たないと思うのなら、この常識自体を一度切り捨ててみてください。自分の中の常識が変われば、不思議なくらい自分の思考回路、つまりは“自分の動き方”が変わります。

 業績が思うように上がらないと悩んだ時ほど、今の自分の常識を省みるチャンスです。業績を上げるコツとして“ツイてる者、持っている人と付き合いなさい”。まるで他力本願で運頼みのように聞こえますが、ぜひこれを機に、自分の中の役に立たない常識に捉われてはいないか、そして自分に役に立つ常識は何なのかを、再確認してみてください。

 

その④ “成功の3大法則”の有無

 

 歴史上の人物の中でも『成功者』と言われている人たちには、共通の法則があります。ある大学の研究者が、成功者と言われる人物の“思考”と“行動パターン”を分析した結果、この3つの法則を持ち合わせていることが明らかになりました。

 

一つ目は『勉強家であること』です。分かりやすく言い換えるならば“自分の知らない知識や情報を得たいという向上心が常にある”ということです。

難しい国家試験を突破して今に至る建築士のみなさんであれば、勉強が得意な方が多いかと思います。けれどここで問題になってくるのは、その勉強意欲が、自分にもそして何よりも“お客様のために生かされているかどうか”です。

例えば、建築士があるお客様から戸建ての新築を依頼され、敷地条件や予算、お客さまの細かな希望や理想などの情報を基に設計図を作り、数か月後に建築工事が完了したとします。お客様もその仕上がりに十分に満足し、設計事務所に代金を支払って戴いて、これで今回の物件は無事終了となる。もしあなたの中でこの物件に対してここで全てが終わっていたとしたならば、残念ながらあなたは決して『勉強家』とは言えません。

建築士とお客様との関係は、建ち上がった後にこそ勉強家であるべき時が来るのです。その後もそのお客様との関係を築いていきたいと思うのであれば、お客様が実際にその物件に住んでみて、その物件をどのように使っているのか、また数年後のお客様自身の状況や環境の変化などのその後の情報をも得たいと思うことこそが、向上心に繋がっていくのです。

もちろん大規模なリフォームや建て替えは何十年も先のことになるかもしれません。しかし「この設計事務所が我が家のすべてを把握してくれている」とお客様が感じることが出来れば、「ぜひ次回もまた同じ設計事務所でお願いしたい」と考えないはずはありません。仮にもしこれが企業相手となったならば、企業拡大による新店舗設計のリピート依頼や改修改善工事の依頼を、この設計事務所は確実に手に入れることができるでしょう。

 

二つ目は『素直であること』です。

“素直であれ”と一言で言われても、どうすればいいのかちょっと分かりにくいかもしれませんが、これは至ってシンプルな行動です。『良いと思ったことは即座に取り入れて、悪いと思ったら即座に捨てる』それだけのことです。

ところが、このシンプルな行動が、人はなかなか出来ないものなのです。

「確かに良いとは思うけれど、ちょっとウチの事務所には当てはまらないかもしれない」

とか、

「無駄だとは思うのですが、長年のお付き合いもありますから・・・」

などと、自分の気持ちに素直に行動できない方が多いのが現状です。設計事務所の方だけでなく、誰しも何かしらの行動を新たに起こすことはとても勇気のいることです。しかし、自分の心に素直になって、良いと思ったことをまずは言葉に出して周りに伝え、実践に向かって進めることが、成功を勝ち取るためには必要不可欠なのです。

 

三つ目は『プラス思考であること』です。

人は誰でも、何かしらの失敗をしたことがあると思います。失敗を犯したことに対して酷く後悔したり、落ち込んだり、自暴自棄になってしまったことのある人も大勢いると思います。

しかし成功者は、その失敗をもプラスに変えてしまいます。“失敗”という出来事を“成功しなかった理由が判明する絶好のチャンス”と捉え、自分を成功へ導く一つの通過点として利用することができるのです。だからこそ常に前向きに、失敗を恐れることなく己の信じた道を突き進むことができるのです。

 

この3つの法則が揃っている設計事務所は、必ず成功への道を歩き始めることになるでしょう。もし一つでも欠けていると思われたなら、ぜひとも今日からこの3つの法則を意識するよう、心掛けてみてはどうでしょうか。

質問 Aug 22, 2016 公開 提案 事務局 (13,170 ポイント)
編集 Sep 29, 2016 事務局

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