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【コラム】耐震・免震・制震構造を考える

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東日本大震災以降、耐震性への関心は高まっています。耐震、免震、制震による地震対策について、建物によってどの方法を採用するべきかを考えます。

地震対策の方法は主に3種類あります。

柱や壁などを補強する耐震構造、建物内に地震波自体が入らないよう装置を取り付ける免震構造、そして地震波を建物内で吸収するような装置を取り付ける制震構造の3つです。平成25年には、耐震改心促進法が施行され、

耐震構造で強化する

耐震構造の場合、耐震壁や筋交いを入れるなどの補強、さらに木造なら柱や梁を金属で固めたり、コンクリート造であればコンクリートの強度を強化したり、鉄筋の量を増加させるなどの方法で建物の構造を強くすることができます。建築基準法で定められている耐震基準は、最低限の基準であり、これよりもさらに強化することは、安全性の意味からもより強靭な建物であるに越したことはありません。大地震にも耐えうるよう、建物の剛性を高めること、構造では強度や地震に対するねばりを十分にすることが耐震構造の基本です。

免震構造の役割と課題  免震工法で支える

免震構造は、もしも大地震が起こった時でも30%~50%程度に揺れを抑制する効果があります。これは、基礎と建物の間にクッション性を設けることで、揺れをゆったりとさせることによ流ものです。免震構造には欠点もあり、大きな揺れがあった時、建物が左右に振れるためのスペースを十分に取らなければならないことや、床下を有効に利用することができないという点にあります。機械装置により作動するため、5年、10年単位での日頃の点検は必須です。新築建物に関しては、周囲の敷地に余裕がある場合などは有効な構造ですが、すでにある建物を免震工法で改修する場合には、工事費が高額になるためあまり現実的ではありません。この工法は、歴史的な文化財のように建物自体の価値が高く改修しづらい建物や、緊急時に防災の拠点になるような重要な建物以外ではなかなか浸透しません。

制震構造で改修する

制震構造は、免震構造のように揺れ自体を抑制させるものではなく、揺れを吸収して大地震に対して70%~80%程度の振動にさせる装置を設置するものです。鉄骨造のように軽くて柔らかい建物に適しており、塔のような細長い建物については、風揺れ対策としても有効な構造です。制震構造は改修向きとされています。それは、改修のための工事費が比較的低く抑えられる点や、免震構造のように定期的な点検も不要な点、建物自体に手を加える箇所が他の構造よりも少ないなどの点から適していると言えます。

質問 Jul 16, 2016 公開 提案 事務局 (7,800 ポイント)

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