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【コラム】100年コンクリートをつくる方法

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コンクリート造はメンテナンスをしっかり行い、コンクリートの中に埋め込まれた鉄骨の錆を防げば、何千年にも渡って長持ちさせることができます。コンクリートは年月とともに劣化していきますが、品質の良いものであれば100年でも長持ちします。しかし、近年のコンクリート造は質の良くないものも多く存在します。正しい知識を身につけていれば、100年コンクリートは難しいことではないのです。

鉄筋を錆から守るには

コンクリートの中に挿入された鉄筋が錆びると、鉄は体積の2,5倍にまで膨張します。その膨張圧によりコンクリートに「ひび割れ」が発生し、酸素や水分が入り込むとさらに膨張、コンクリートとの一体性が失われ、耐力は低下していきます。そのような状態にならないために、コンクリートのかぶり厚を厚くするという対処法があります。また、コンクリートは強いアルカリ性ですが、挿入された鉄筋は「不動態皮膜」という皮膜を表面に形成されています。この皮膜により腐食や錆から鉄筋を保護していますが、経年によりコンクリートは中性化していきます。この中性化で錆が発生しやすくなるため、かぶり厚を取るという役割も果たしているのです。長期優良住宅では、かぶり厚を基準より1cm多く取るという認定基準があります。

コンクリートの強度を増す

コンクリートは、セメント・砂・砂利・水を混合したものでできています。このうちのセメントの割合が多くなれば強度が増しますが、その分コンクリートの価格は上がります。またセメントが多くなれば、乾燥収縮によりひび割れは発生しやすくなります。コンクリートを打設した後は、散水などで十分な養生を行うことにより急速に硬化するのを防ぐことができます。近年、RC造の高層マンションで高強度コンクリートを使用するケースが増えていますが、工場であらかじめ造った柱や梁を現場に運ぶプレキャストコンクリートが採用されることが多いのは、こうした品質管理を安定させるためです。

骨材の品質管理を徹底する

コンクリートの骨材に使用する砂や砂利も大切な要素です。本来ならばコンクリートには川砂が適しています。しかし、大きな川が少なく川砂を入手しにくい西日本では海砂を使用するのですが、海砂に含まれる塩分は挿入された鉄骨にダメージを与えます。そこで海砂を十分に水洗いするという規定になっていますが、建築需要の多かった時代には水洗いが不十分だったケースもあったといいます。また砂利に関しては大きな石を砕いたものを使用しますが、この中に「反応性シリカ」が含まれていた場合、アルカリ水溶液と化学反応を起こし、コンクリートにひび割れが発生することがあります。そのためアルカリ骨材反応試験を行い、合格した骨材を使用するのが一般的です。

さらに品質を高めるためには

質の良いコンクリートの条件のひとつに、混合する水の分量があります。水が少ないものが良いとされるのですが、施行の際水が少ないとコンクリートの流動性が悪くなるため、施行を丁寧にする必要があります。そのため現場は柔らかいコンクリートを使いたがる傾向にありますが、硬めのコンクリートでしっかりと施行することが大切です。さらにコンクリート打設後は十分な養生期間を設けることも必要で、強度を増すためには型枠を外すまでの期間を長くすると良いとされています。具体的には、4日以上かつ、{120÷(外気温+10)}以上経ってから外すのが良いといいます。工期に追われている場合2日程度の現場もありますが、3日は外さない方が望ましいでしょう。残りの日数で散水による養生を徹底しますが、特に屋上のコンクリートを養生する際は、コンクリートを水が浸る程度にして1週間待ちます。これにより強度が上がり、アスファルト防水を施さなくても良いまでになったという例もあります。漏水の原因は主にコンクリートのひび割れですが、防水をしなければもしも漏水した際、すぐに補修することができ、費用も数万円で済ませることが可能なのです。

質問 Jul 16, 2016 公開 提案 事務局 (13,170 ポイント)
編集 Aug 10, 2016 事務局

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