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【エッセイ】住宅のリフォームに思うこと。

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マンションでも戸建住宅でも新築後10数年経つと、何らかの修繕やリフォームが必要と言われています。これは、内外装の劣化や住宅設備の老朽化が原因ですが、ここではリフォームする際の内装や設備の選択肢について述べます。なお、リフォームの定義を、改装あるいは改築とします。

マンションの修繕積立金で行われる定期的な修繕・改修とは異なり、マンションの専有部分(室内)や戸建住宅のリフォームは、計画的に行うのは難しいのが実情です。色あせなどの劣化を原因とするリフォームは、居住者の判断基準がそれぞれに異なり使用に物理的な不都合もないことから、決断に相応のきっかけが必要となります。一方、キッチンや洗面所などのリフォームは設備の突発的な不具合をきっかけとするケースが多く、十分な検討時間がないままの依頼が多いのではないでしょうか。しかし、リフォームを事前に計画しておくことで、住空間のリフレッシュだけではなく、質の向上にも繋がるはずです。

マンションや戸建住宅に限らず、現在の内装の仕上げの多くは、床にフローリング、壁・天井にはクロスと言うのが常識のように普及しています。そのため、どのモデルハウスを見ても綺麗と言う印象しかなく、個性的な魅力に欠ける気がしてなりません。ですから、もしリフォームを計画するなら、以前はあったカーペット床や塗り壁なども内装の選択肢に入れて欲しいものです。

床をカーペット仕様にするメリットには、見た目も感触にも暖か味があること、そして防音効果があることです。反面、ホコリやゴミがたまりやすいことからアレルギーを起こしやすい、そして汚れやすいなどの欠点を抱えていますが、最近は防ダニ性能、防汚性能や撥水性能などを備えているものもあり、一概にフロア床が有利とは言えなくなってきています。

壁・天井のクロスに変わるものとしては、ローラーによるペイント塗装が多いのですが、珪藻土や漆喰などの自然素材なども選択肢に入れたいところです。ペイント塗装ではクロスの上からでも塗れるものがありますが、できればクロスを撤去して下地処理をしっかり行った方が仕上がりや耐久性の上でもいいと思います。また、塗装に使用するローラーには様々なパターンがあり、塗装面の凹凸が重厚感や高級感を感じさせてくれます。さらに、光触媒などで汚れにくい塗装もあります。

設備の交換に際しては、より安全で基本性能がしっかりしているものを選ぶべきです。多機能を付加価値としている商品もありますが、付加価値とは言えない商品も多く見受けられます。一時期、朝シャンなどと言われ、多くのメーカーが競って提供したシャワー付き洗面台も、実際には洗面台で頭を洗う人は少なく、浴室でシャワーを浴びた方が合理的です。また、浴室にテレビや床暖房機能を備えたユニットバスもありますが、浴室でテレビを見る必要性を感じず、すぐ温かくなる浴室に床暖房機能を設ける合理性を感じません。

折角のリフォームです。単に新しくするだけではなく、画一的な仕上げを見直すことで住空間にオリジナリティーを持たせ、生活スタイルの質を上げることも重要です。
いつかはやって来るリフォームを失敗や後悔で終わらせないためにも、自身のそして家族の生活スタイルを元にリフォーム計画を考えていくのも楽しいのではないでしょうか。

ここ数年の増改築を含めたリフォーム種類統計では、80%前後を模様替が占めています。また、リフォーム市場は直近の2009年の5.6兆円を底に、2013年には7.49兆円にまで上昇しています。これら模様替えの大半が、床にフロア合板、壁にクロスと想像するのは非常に残念なことで、ユーザーそしてリフォーム業者の価値観の見直しを期待したいところです。

質問 Jun 25, 2016 公開 提案 事務局 (7,800 ポイント)

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